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日本の人口問題と外国人との共生を考える  公益社団法人 国際人材革新機構(iforce)  代表理事CEO  樋口 公人

日本の人口問題と外国人との共生を考える 1

本コラムは、5回にわたり、簡単ではあるが、今の日本の人口問題についてと、今後日本へ来日が増えている外国人との、日本における「共生」について考えるとき、どのようなことを考えないといけないのか、各種のデータを元に論じたい。

1.日本の人口と労働力の現状―2030年労働力不足644万人―
1-1.総人口と労働力
少子高齢化により日本の人口は減少局面に突入した。2017年に公表された国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2017年現在の日本の人口は1億2,671千万人となっているが、2030年には1億1,638万人、2060年には、8,877万人になることが見込まれている。2017-2030年の僅か13年間をみても、1,033万人もの減少がみこまれる状況となっている。そこで、減少の内訳をみると、1,033万人のうち社会を支える生産年齢人口(15~64歳)が940万人と減少人口のほとんどを占める。


つまり、単純に人が減るのではなく、経済活動の中核を担う人口が減少するという構図の下で事態が進行していることがわかる。

1-2.2030年にどのくらい人出不足となるのか?

そこで、2030年にどのくらいの労働力が不足するのかを確認すると、パーソナル総合研究所と中央大学の共同研究では、労働需要7,073万人に対して見込まれる労働供給は6,429万人で、差引644万人の不足が見込まれている。さらには不足の状態が続いていくので、賃金も高騰することが指摘されている。推計がなされた2017年時点では既に121万人の不足が生じており、東京オリンピックが開催される2020年には384万の労働力が不足することが見込まれ、労働力不足は2030を待つまでもなく、かなり深刻な状況になっていることがわかる。644万人の内訳については、産業別にみると、ほぼ業種横断的に不足が見込まれているが、なかでもサービス業、医療・福祉が突出している。データは省略するが、職業別でみると、専門的・技術的職業従事者、事務従事者、運搬・清掃・包装等従事者、サービス職従事者といったところである。
どのような仕事に対して労働力が不足するのかといった点は気になるところではあるが、問題は、まず日本の社会を維持していくうえで、644万人の不足をどのように埋めていくのかである。

 

公益社団法人 国際人材革新機構(iforce)

代表理事CEO 

樋口 公人