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最近思う事。          田添史郎

最近思う事。

 

世界中にコロナ感染が始まって約2年の月日が流れた。

一部の地域を除き、各国はウィズコロナを選び、共存する為の方法を模索している。日本においても、3年間の技能実習が終わり、本来ならば帰国するはずだった彼らは、技能実習3号を目指すか、「就労可」「就労不可」のどちらかを選択し、ビザの延長を余儀なくされた。しかし、2年間の間に、世間は大きく変わり、その日本に取り残されている技能実習生が「技能実習制度」よりも、やや自由に感じる「特定技能実習」に移籍する人達が増えてきた。

「特定技能実習」は自由だというと語弊があるので付け加えるが、ルールや規則が無い事の様に自由をはき違えている人達が多い。そして日本の法律の範囲内というのが前提であり、マナーも加味される。「技能実習生制度」においても法律に則ってその範囲内であれば、日本人と同じように自由であり、自分の意志で他社へ移籍できる。しかし、まじめで純粋な外国人を巧みに唆し、自分達の都合の良い様に誘い込み利益を追求する連中が目立つようになってきた。我々の団体は、技能実習生の管理団体でもあるが、特定技能実習生を支援する登録支援機関でもある。日本の国の将来を考えるのであれば、労働生産人口の減少に伴い、外国人労働者に頼らざるを得ないのだが、もう少し制度の見直しが必要であり、国際社会と胸を張って言える様に日本人も努力すべきである。

 

我々、管理団体は、日本に在留しているベトナム人の通訳と一緒に仕事をするが、彼らは毎日、日本語とベトナム語を使い分け、日々スキルアップしているといっても過言ではない。しかし、ベトナム側の送り出し機関はコロナ禍になって、単発的に日本側とメールか電話でしか話さない。こんな期間が2年も経つと、日本語の細かいニュアンス的な部分が伝わらなくなる。そうなんです。。感覚が鈍って来てるのです。在日ベトナム人にその話をすると、「日本語を使わなくなったので言葉を読み取る感覚が鈍ってるのでしょうね」と言う。外国人に慣れていない日本人は、日本語と同じような意味を持つ単語が相手の国にもあると思っている人が多く、ベラベラと喋った日本語が、全くそのまま相手国の言葉に変換できると思っている。私達でさえ、通訳に対して言葉を選び、どんな表現をすれば実習生に正しく伝わるのか物凄く気を遣う。ここのコミュニケーション能力を受け入れる企業側が理解してくれるともっと沢山の外国人労働者達が日本を目指してやって来ると思う。このままでは、数さえ揃えばそれで良いとしか考えて無いように思えてならない。

 

我々管理団体は、各省庁や、外国人技能実習機構から厳しく指導監査を受け改善を求められるが、「特定技能実習」の「登録支援機関」はどうなんだろう? 世間から如何わしいと思われている管理団体の連中が、「この制度は少しばかり如何わしいね」と、思っている位だから、如何わしいんだと思う(笑) もっと正しく表現するならば、もう少し法制度をしっかり見直し、訳の分からない「〇〇協会」とか「〇〇機構」なる天下り先みたいな団体に入会金や年会費を無くしてしまった方が良い。政府は、日本に実習生が入国する迄の「悪質なブローカーを排除する」と公言しているが、今迄無かった様な天下り団体が次々に出て来て、必要のないお金を払わなければならない。まさしく「悪質なブローカー」である。

 

田添 史郎