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今そこに在る危機 2       田添史郎

日曜討論会 「超・人手不足新時代 危機を乗り越えるには」というテーマでやってた。

経済再生担当大臣や色んな分野の人達が討論をしていた。其々が自分の分野の事に付いて意見を出し討論している。私が個人的に共感できたのは、中小企業家同友会全国協議会会長や立教大学の教授の意見である。後の人達は労働生産を上げ、賃金向上により生産性を上げるという内容が多かったかな。経済再生担当大臣は、補助金等による生産ラインの見直しでDX化を行い生産効率を上げる。。。等々。数年前から言われている2025年問題、現在言われている2030年問題、2035年問題等これから先10年程で予想できる問題が山ほどある。

非正規雇用の問題など大きく取り上げられるが、現場側から言わせて頂くと正規社員になりたがらない人や役職を与えられるのは嫌だという人達も少なくない。私の客先の中小企業はその様な声が多い。パート社員も「年収の壁」問題がある。経済再生担当大臣は「年収の壁」を乗り越え、税制や社会保険を払ってもらい将来年金を受け取り安定した老後を送って欲しいと仰っていたが、一市民は将来年金を貰えるなんて思っていない事を理解して欲しい。正社員にもならない、税制の問題でパート社員で良いなど将来の税収は我々の次の世代に大きく圧し掛かって来る。JAPAN No.1 のトヨタ自動車でさえ今後終身雇用を続ける事は厳しいと感じている。そんな世の中、生き残っていくには努力を重ね自分自身をスキルアップしてきた人達のみが高収入の仕事をやる格差社会になって行くのではないだろうか?

私が携わっている外国人労働者を受け入れる業界でも、法改正を目前に実習生の中でも格差は出始めている。外国人労働者は最低賃金で安く使われているとマスコミ等で酷く報道されているが、必ずしもそうではない。日本人社員にも最低賃金で働いている人は沢山いて、またその事は法律違反でもない。「日本の法律で定められた制度」である。

最低賃金 – Wikipedia

 

しかし、幾度となく行われてきた外国人技能実習法改正により、採用当初は最賃に近いかもしれないが、努力をすれば3年以上、5年、10年そして家族の帯同が出来るとなれば彼らの考え方や将来の夢がより現実的になり日本人以上に努力をし、現在日本で認められている外国人にも認められている各種技能免許を取得し、日本人並みに又は新人の日本人社員よりも高い報酬を得ている技能実習生も沢山いる。

生産現場のDX化、終身雇用の限界などある側面から考えれば、今、日本で暮らしている若い世代はこれから襲ってくる危機に耐えられるだろうか?今こそ、高度経済成長期のムードやマインドを理解して貰わなければ、日本の税収は先細り国力は弱ってしまう。ただでさえ、現在の日本の価値は落ち込む寸前である。日本国債や日経平均も大国の投資家や企業に良い様に利用されているだけで安定しているものではないと私は考える。

今そこに在る危機を乗り越えるには、日本を目指してやって来る外国人を、温かく受け入れ気持ちよく働いてもらいしっかり税金を払ってもらう事である。朝の朝礼や会議の際は、必ず技能実習生も交えて行い今日一日の仕事を理解させて安全に仕事をしてもらう。日本語が通じないと言われるかもしれないが、それは企業努力で自前で考えるべき。何故なら自分の会社だから。こんな簡単で明確な答えは無い。無理なら日本人を採用するか、日本語が流暢な報酬が高い外国人を採用すればよい。

 

2030年問題。

もうすぐそこまで来ている。呑気に不満や言い訳をしている時間は無い。

 

 

田添史郎